人気ブログランキング | 話題のタグを見る

パリで観る1日1映画:写真モデル→ヒゲのひと


by ciaoamiko
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

08/07/04 話題沸騰マイケル・ムーア

08/07/04 話題沸騰マイケル・ムーア_a0034269_23517.jpg今日の映画 : "Fahrenheit 9/11 (華氏911度)"
製作年と製作国 : 2003年、アメリカ
監督 : Michael Moore
出演 : 監督本人

初日に行って来ました。私が観た回は、最終回の夜21H30からだったんですが、超満員でした。客層はだいたい20代後半〜という感じ。映画が終わった後はやっぱり拍手。カンヌのそれにはおよばないとは思うけど、皆『ブラボー!』とか叫んでました。彼の前三作に比べて、アポなし突撃取材ぶっちぎり度が少なく、そういう部分の面白味には欠けていたかも・・・でもムーア氏本人があまりにも有名になりすぎた為、しょうがないっちゃしょうがない。映画の前半から中半にかけては、インタビュー、過去のアーカイブ映像、組立て方等、すごく良くできていると思います。何も知らない一般アメリカ市民の為に、この映画は作られた、と言いますが、なるほど分かりやすくブッシュの企みの裏が暴かれています。それに比べて、後半は今回の戦争で息子を亡くした母親の嘆きにスポットをあてていますが、それが私にはイマイチでした。アメリカの軍隊がどういうふうに兵士をリクルートするのか、それがどういう境遇の若者達なのか、そのへんは実に興味深かったのですが、最後にホワイトハウスの前で泣き崩れる母親をカメラがじーっと写すあたり、どうしても『お涙ちょうだい』的意図があったに違いない、と疑わずにはいられません。実際そうなのでしょうが。結局、映画の前半部分がもっともっと深く追求されないまま、後半部分へ突入してしまった形になって、なんだかアタマでっかちシリつぼみ状態です。それでもこの映画がダメだとか言いたいわけではありません。逆に大変良く出来ていると思います。ただ、この映画では、ブッシュのバカっぽい言動ばかり集めて観客に見せる事によって、私達に彼が本当にバカ大統領なのだとアピールしていますが、ゴダールが言ったように、ブッシュはムーアが考えているほどバカではないと思います。バカだけど・・・自分が何をしているのか、ハッキリと確信を持っているバカだと思うのです。それが余計にコワ〜イのでは?フランスではムーアの人気、話題度はすごいものです。カンヌでグランプリを獲得した時点で各紙絶賛でしたが、今週映画が一般公開になった、という事もあって、いろんな雑誌がムーアの特集記事を組んでいます。私はカンヌでの賞に対して疑問を感じていますが、配給会社云々で問題があった事に対して、カンヌグランプリというタイトルが解決策をもたらしたであろう事実は拒めません。タランティーノは政治的意図なく決めた、と言うけれど・・・。とにかく、この映画を観て私はいろんな事を知りました。そして”戦争イコールお金”という縮図がある事を、うすうす分かってはいたけれど、やっぱりそうなんだー、と実感。結局なんでもそうなんですね!怒!
by ciaoamiko | 2004-07-08 23:06 | 仏以外の外国映画